【犬がうんちを食べるのはなぜ?】食糞の原因と対策を現場目線で解説
「うちの子、うんちを食べてしまうんです…」
犬の食糞については、実店舗でもたまにご相談をいただきます。
飼い主さんからすると、とてもショックですし、
- 栄養が足りていないの?
- フードが合っていないの?
- 病気なの?
- どうやったらやめさせられるの?
と不安になりますよね。
ただ、最初にお伝えしたいのは、
犬の食糞は原因がひとつではなく、「これが理由です」と断定しにくい行動
だということです。
空腹、年齢、遊び、飼い主さんの反応、
ストレス、フードとの相性など、さまざまな要因が関係している可能性があります。
この記事では、犬がうんちを食べてしまう理由と、
飼い主さんができる対策について、現場目線でわかりやすく解説します。
犬にとって「うんちは汚いもの」とは限らない
まず大前提として、人と犬では「うんち」に対する感覚が違います。
人にとってうんちは汚いもの、不衛生なものですが、
犬には人間と同じような衛生観念はありません。
そのため、人からすると「なんでそんなものを食べるの?」と思う行動でも、
犬にとってはそこまで特別な感覚ではない場合があります。
もちろん、食糞をそのままにしてよいという意味ではありません。
ただ、飼い主さんが必要以上にショックを受けたり、
「うちの子はおかしいのでは」と悩みすぎたりする必要はありません。
犬では珍しくない行動のひとつとして、落ち着いて対策していくことが大切です。
犬がうんちを食べる原因として考えられること
1. 子犬特有の好奇心
食糞は、比較的若い犬に見られることがあります。
子犬は、いろいろなものに興味を持ちます。
- においを嗅ぐ
- 口に入れて確認する
- 遊びの延長で食べてしまう
という流れで、うんちを食べてしまうことがあります。
この場合、成長とともに自然に減っていくケースもあります。
もちろん放置してよいわけではありませんが、
子犬の時期に食糞があるからといって、すぐに深刻に考えすぎる必要はありません。
2. お腹が空いている
単純に空腹が関係している場合もあります。
例えば、
- 給餌量が少ない
- 成長期で必要なエネルギー量が多い
- 運動量が多い
- ダイエット中で満足感が足りていない
といった場合です。
ただし、食糞するからといって、
必ずしもフードの量が足りていないとは限りません。
十分な量を食べていても、食糞してしまう子はいます。
体型、便の状態、運動量、年齢などを見ながら、
必要であれば給餌量を見直してみましょう。
3. 便のにおいが犬にとって魅力的になっている
フードの内容や消化状態によって、
便のにおいが犬にとって魅力的に感じられることがあります。
特に、
- 高たんぱくなフードを食べている
- 消化しきれていない成分が便に残っている
- フード変更直後で便の状態が安定していない
- 軟便気味
といった場合です。
少し変な言い方になりますが、
犬にとって「食べ物のにおいが残っている便」に感じられることがあります。
この場合は、フードの内容や消化のしやすさ、便の状態を見直すことも対策のひとつです。
4. 暇つぶし・遊び感覚
留守番中やケージ内で過ごす時間が長い子の場合、
暇つぶしや遊びの延長で食糞してしまうことがあります。
目の前にうんちがある。
↓
においを嗅ぐ。
↓
触ってみる。
↓
口に入れてみる。
↓
そのまま食べてしまう。
このような流れです。
特に、運動不足や刺激不足がある子では、食糞が習慣化してしまうこともあります。
5. 飼い主さんの反応を楽しんでいる
意外と多いのが、飼い主さんの反応が関係しているケースです。
犬がうんちを食べようとした瞬間に、
- 「ダメー!」と大きな声を出す
- 慌てて走っていく
- 追いかける
- 中途半端に叱る
という対応をすると、
犬によってはそれを「構ってもらえた」「遊んでもらえた」と受け取ることがあります。
犬からすると、
うんちを食べようとする → 飼い主さんが反応してくれる
という学習になってしまう場合があります。
その結果、食糞がさらに強化されてしまうことがあります。
6. 飼い主さんに構ってほしい
食糞そのものが目的というより、
飼い主さんに構ってほしくて行動している場合もあります。
特に、
- 留守番が多い
- 飼い主さんが忙しい
- 普段のコミュニケーションが少ない
- 犬が退屈している
といった場合です。
犬がうんちを食べる。
↓
飼い主さんが慌てて来る。
↓
大きな声を出す。
↓
追いかけてくれる。
この流れができてしまうと、
犬にとっては「うんちを食べると注目してもらえる」と感じてしまうことがあります。
この場合は、食糞の瞬間だけに反応するのではなく、
普段の遊びや散歩、声かけなどを増やしてあげることも大切です。
7. ストレスや不安
ストレスや不安が関係していることもあります。
例えば、
- 引っ越し
- 家族構成の変化
- 留守番時間の増加
- 運動不足
- 生活リズムの変化
などです。
食糞だけでなく、吠え、破壊行動、落ち着きのなさ、
食欲の変化などが同時に見られる場合は、生活環境全体を見直してみるとよいでしょう。
8. 病気が隠れている場合
頻度として多いわけではありませんが、病気が関係している可能性もあります。
特に、急に食糞が始まった場合や、体調の変化がある場合は注意が必要です。
例えば、
- 下痢や軟便が続く
- 体重が減ってきた
- 食欲が異常に増えた
- 水を飲む量が増えた
- 便の状態が明らかに変わった
このような変化がある場合は、かかりつけの動物病院で相談してください。
犬の食糞を減らすためにできる対策
1. 排便後はできるだけ早く片付ける
もっとも基本で、もっとも大切なのは、食べる機会を作らないことです。
食糞は、一度習慣になると改善に時間がかかることがあります。
そのため、排便後はできるだけ早く片付けましょう。
特に、食糞しやすい子の場合は、排便のタイミングをある程度把握しておくことも大切です。
2. 大きな声で騒がない
食糞を見つけると、つい大きな声を出したくなります。
ただ、犬によってはその反応がご褒美のようになってしまうことがあります。
見つけたときは、できるだけ冷静に対応しましょう。
追いかけ回したり、大騒ぎしたりせず、静かに片付けることが大切です。
3. 排便後に別の行動へ誘導する
排便後すぐに飼い主さんのところへ来る習慣を作るのも有効です。
例えば、
- 排便したら名前を呼ぶ
- 来たら褒める
- おやつを少しあげる
- その間にうんちを片付ける
という流れです。
「うんちを食べる」ではなく、
「排便後は飼い主さんのところへ行く」という行動に変えていくイメージです。
4. 運動や遊びの時間を増やす
暇つぶしや退屈が関係している場合は、運動や遊びの時間を増やすことも大切です。
散歩だけでなく、室内でも、
- 知育玩具
- ノーズワーク
- 引っ張りっこ
- 短時間のトレーニング
などを取り入れてみましょう。
犬が満たされる時間を増やすことで、食糞への執着が弱まる場合があります。
5. フードや給餌量を見直す
便の状態が気になる場合は、フードや給餌量を見直すことも大切です。
チェックしたいポイントは、
- 便がゆるくないか
- 未消化のものが便に混じっていないか
- 急にフードを変えていないか
- 給餌量がその子に合っているか
- 体型が痩せすぎ・太りすぎではないか
です。
フードが悪いということではなく、その子に合っているかどうかを見ることが大切です。
6. 食糞防止アイテムを使う
うんちを苦く感じさせるサプリメントや、
排便後のうんちに吹きかけるタイプのスプレーなどもあります。
これらは、食べたときに「おいしくない」と感じさせることで、
食糞を減らす目的のアイテムです。
ただし、効果には個体差があります。
すぐに改善する子もいれば、あまり変化がない子もいます。
食糞防止アイテムだけに頼るのではなく、
片付け、環境改善、運動、フードの見直しなどと組み合わせて考えるとよいでしょう。
留守番中に食べてしまう場合はどうする?
食糞のご相談で多いのが、飼い主さんが見ていない間に食べてしまうケースです。
帰宅したら、うんちを食べた跡だけが残っている。
この場合、その場で注意することができないため、改善が難しいこともあります。
対策としては、
- 留守番前に排便を済ませる
- 散歩や運動で排便リズムを整える
- ケージ内を広くしすぎない
- トイレと寝床の配置を見直す
- 知育玩具などで退屈対策をする
などが考えられます。
ただし、完全に防ぐのが難しいケースもあります。
その場合は、無理に叱るのではなく、食べる機会を減らす工夫を続けていくことが大切です。
食糞で動物病院に相談した方がよいケース
食糞自体は珍しい行動ではありませんが、次のような場合は動物病院に相談しましょう。
- 急に食糞が始まった
- 食欲が異常に増えた
- 体重が減っている
- 下痢や軟便が続いている
- 嘔吐がある
- 水を飲む量やおしっこの量が増えた
- 元気がない
病気が原因で食糞しているケースは多くはありませんが、
体調の変化がある場合は自己判断せず、獣医師に相談してください。
まとめ:食糞は珍しくない。でも、習慣化させないことが大切
犬の食糞は、飼い主さんにとってはショックな行動です。
ただ、犬にとっては人間ほど「汚いもの」という感覚がなく、
子犬の好奇心や遊び、空腹、便のにおい、飼い主さんの反応など、
さまざまな理由で起こることがあります。
大切なのは、原因をひとつに決めつけすぎないことです。
まずは、
- 排便後すぐに片付ける
- 大きな声で騒がない
- 運動や遊びを増やす
- フードや便の状態を見直す
- 必要に応じて食糞防止アイテムを使う
といった基本的な対策から始めてみましょう。
また、急に食糞が始まった場合や、
体調の変化がある場合は、かかりつけの動物病院に相談してください。
食糞はすぐに改善しないこともありますが、成長とともに自然に減る子もいます。
焦らず、叱りすぎず、食べる機会を減らしながら、
その子に合った対策を続けていきましょう。
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